なさけない電波時計を修理しよう
いやはや、例のなさけない電波時計CASIOのID-24Jであります。いきなり捨てるのももったいないので、一度だけ直してみようというわけであります。液晶の接続は、金太郎飴ゴムで押しつけてつながっているタイプと、ACFでフレキが接続されているものがある。これはACFだった。見たところ、一見綺麗ながら、なぞってみると基板側で表示に変化がある。液晶のガラスの方は一切変化しない。時計とは別に液晶が付いている温度と湿度を表示している方は異常が全くない。別のところで作っているのか、別のロットなのかも知れない。
基板側のACFの接着部分であります。押さえた痕はあるものの、相手が
ベークの基板だけに、熱がちゃんと伝わっていなかったのか、収縮率の違いで剥がれてきたのかそんなところだろう。さて、何度もは治らないが、一度くらいなら、熱をかけ直せばひっついてつながることが多い。工場では長方形の先のコテの先を、温度を管理して適度な圧力で、適切な時間押しつけると、ACFの中の樹脂が溶けて垂直方向に導通するわけである。
もしこれを手作業でやっているとすると、押しつけの温度や時間がいいかげんだと思われ、接着不良も大いにありえるだろう。さて、直し方だが、先の平らなホットナイフの類があれば良いが、ないので、ハンダごてでやるとして、直接やるとフイルムが溶けるので、溶けないようにマスキングテープのようなものを貼ってその上からやるのがよい。貼っているのは紙の絆創膏である。ハンダごての温度は調光器などで少し下げておくのがよい。コテの先がとんがっているとフイルムを切ってしまうので、平らなやや面積のあるコテ先の状態がよろしい。今回は銅箔テープをコテ先に巻いて均一な面を増やす作戦だ。表示を見ながら一度にやらずに少しずつ熱をかけてみよう。
おっと、いい感じだ。とりあえず表示は治った。しばらくこれで様子を見よう。テープは剥がすとまた一緒に剥がれてきてしまうので貼ったままにしておこう。ばらしたネジを全部締めて、裏蓋を閉じて壁に復帰である。しかし、でかいバーコイルアンテナが付いている割には、今となっては受信感度が良くないのが玉に瑕か。感度が悪いと言うよりも、感度が良すぎて雑音に弱いのかも知れない。それにしても、もうっちょっとましな壁掛け電波時計は売っていないのかねぇ。(当時)1万前後でこれではやりきれない。(注:今はもう少し安いだろう。)
(訂正:基板はガラエポでした。)
| 固定リンク | 0
コメント