VARDIAマインスイーパー
東芝 VARDIA RD-XD92 動作不良 ディスク保護:あり
それは、かすかな前兆からおとずれた。9ヶ月目くらいのことであった。いずれはそのときが来るだろうとは思っていた。一度フォーマットし直したいなとも思っていた。しかしやはりTSで録ったものはDVDに落とすと明らかに画質が落ちてしまい、青光搭載のレコーダーかRECpodあたりを手に入れて逃がすしか方法がないのだろうと思っていた。そして前兆はやってきた。夜中にロックしてしまっていることが何回か起き出した。EPGを取得したりLOGOでロックしていたり、放送局が変更になったとか言うメールが来たままロックしていることが数回あった。それゆえやや気になってきたのでできるだけ編集やら細かいことはせずに、丸ごとDVDに移すようにしていた。しかしちょっとした削除をしたところで地雷を踏んでしまったようだ。ロックした状態から電源長押しで再起動したところで、再生しかできないといきなり言われる。無条件に了解しろとな。
いや、それは遅かれ早かれ、いずれ訪れることは、VARDIAユーザーは知っていたのだが・・・・。それでも初期からLANが付いていたり、ネット操作ができたり、スカパー連携ができたりと、他にない魅力があった。ハードと一体化した、使い込むレベルのファームとしてのソフトウェアの完成度には定評がなかったが、そう、これはもしかしたら動くかも知れないという、魅力的なジャンクを買うような好奇心と人柱精神を持ってして、VARDIAは微妙なユーザー層に受けているのだろう。もっとも地デジでコピープロテクトがかかってからは、ネットモニターも編集も何もできなくなったから、VARDIAしかできないという機能は減ったのかも知れない。しかしコピーXでもチャプター編集ができるし、それすらできないメーカーもあったところから、やはりそれなりの魅力はあり、最終ロットはまだ何とかなるのだろうという期待を少し持っていた。
トレーに載っているDVDメディアもHDDにライブラリを書き込めないので、登録できず、毎回登録されていないと一方的に訴えられる。
青光や、HDが普及するまでのつなぎ的になるであろうことは予想していた。次機種は意外にも結果的にはより安定していたようであるし、来年にはHD-RECやAVCHDやらコピー10X対応のレコーダーが出てくることだろう。まだまだ青光はメディアが高いし、青光の方が普及しそうにも思えるが、その製造方法からするとHD DVDの方が有利であるとも思え、まさにVHSとβのような世情である。
HDDに書込ができない状態になっており、それゆえ空き容量が0となり、予約録画ができない可能性があると、予約が入っている時間になるたびにこれまた一方的に訴えられる。すでに可能性の問題ではなく、録画ができないのである。HDDに残っている番組を消したいが、書込ができないので、消すこともできない。この状態を設計者は軽視しており、その対処方法を設けていない。まさに片手落ちなシステムである。
次にはその場になって始めて自分は録画を開始できないことに気づき、録画が開始できないと訴えてくる。そんなことはこっちの知ったことではない。あなたのせいなのですよ。しかも一方的に、ディスク情報を確認しろ要求される。
あらゆるエラーのパターンを検証することは大変であることは確かである。しかしいろんな操作をしてみて、ベーターユーザーなりにパターン出しをしてみることは顧客の信頼を得るにはとても大切なことである。ところが現実的にはリリース時期が決まっており、他社との競争から、また、オンラインでファームが更新できるという甘えが可能となったため、かなり未完成なファームで初期的には出荷されていることは確実である。実初期ロットユーザーが実はβユーザーなのである。いや、途中からは次機種の開発に専念する開発チームの現状からは、ある時期からファームがバグフィックスされることはなく、この手のOS+プログラム+ハードというパソ同様の構成の家電にとっては、継続的に最終ユーザーまでがベーターユーザーなのだろう。
仕方がないのでディスク情報とやらを開いてみる。しかしこの画面は袋小路でしかない。ディスク保護:あり となったら最後、ユーザーの利益が保たれたままで何かなすすべ残されていない。勝手にディスクに保護をかけて、それ以上の方法が残されていない。ディスク状態が異常であるから、これ以上異常にならないように書込を禁止にしているのである。もしそうしていなかったらどうなるのだろうか。どれかのプログラムが削除できたとして、さらに異常になったとしても、結果的には一緒である。それならば、たとえ不確実でもMOVEできる状態を残しておいた方がより理解を得られるだろう。
再生しかできない状態、いやこれはまだましな状態であるともいえるのかも知れないが、あまりに検証できていないシステムであるといえる。OS自体がHDD上にあるとなると、守る意味もあると言えるが、HDDを装換されている人がおられることから、OSはどこかHDDではないフラッシュドライブに入っているのであろう。それならなおさらこのHDDの保護は意味をなさない。
コピー禁止条件が付いているからには、移動しかできない。システムはコピーしたあとHDDの番組を消去しなければならない。しかしHDDの書込が禁止されているから、それができない。ゆえに移動もできない。再生できるうちにDVDに移動しようと言うユーザーの希望は無惨にも蹴られることとなる。消すことも移動することもできない。
かろうじて再生することと、唯一、スカパーや地上アナログのようにプロテクトのかかっていないコピー可能なものだけを、DVDにコピーすることができた。ここで、コピー10Xであれば、録っておきたかった番組がDVDに取れたであろうことが悔やまれる。諸悪の根源はやはりコピーXなのか。
プロテクトのないスカパー番組をDVDに焼いたらこんなメッセージが出てきた。メディアを換えてみても、RAMでもRでもだめである。必ず13%のところで停まるので、おそらく再生できないのであろうと言うことで、時間的にそのあたりにあたる部分を再生してみた。やはりディスクのセクターアロケーションのチェーンがとぎれているようで、そのあたりで再生が停まってしまうため、続きが見つけられず、コピーが継続できないことが原因のようであった。ディスクが汚れているのではなく、読み出しができないためダビングに失敗しているのである。状態とメッセージが一致しないパターンはいくつかあり、細部の検証がされていない証である。
もちろん書込ができないから、編集もできない。チャプターにしたらMOVEできるとかないのだろうかなどと言う期待ももちろんあっさりとくじかれる。編集はできなくてもいいから、移すだけでも移させてくれよと。なんといけていないのだ。
もちろんこういう状態になることは、このXD92が発売された昨年の6月以降、大勢のユーザーが遭遇されており、既に報告されていることである。価格comにもいろいろ情報が書かれているが、ともかく自分なりにやってみて偶然起きたことを正とされている感があり、技術的な根拠に乏しい情報が多い。確かなことは、プログラムが細部でまだまだ未完成であることと、やはりディスクのフラグメンテーションに対する対策がいまだ皆無であったことと、一部中国製の信頼性の低いパーツを採用したためにいらぬ動作不良が便乗してしまったことが最悪な点であろう。
このままの八方ふさがり、袋小路、メーカー対策なし状態で放置しても時間の無駄であるので、泣く泣く、渋々、仕方なくHDDの初期化をすることにほとんどのユーザーはなってしまうのである。パナの古いDIGAも一度だけフォーマットせざるを得ない状態に陥ったが、それ以外は格段に安定しており、滅多なことでは変にならない。チャプターの部分削除まで可能であり、それが普通であるから頻繁に行ったとしても、HDD満杯まで必ず異常になるとも限らない。もちろん、ソフトウェアの機能が格段に限定されているから、すべての異常状態のパターン出しは遙かに楽であろうことは予想できるのだが。
かすかな希望を含めて、番組表とプレイリストを残した初期化に触手が動くが、いや、すべて一度消した方が確実であろうことも頭をよぎる。しかしまずは、プレイリストを残した初期化を実行してみるが、これもあっけなくくじかれることとなる。ハードディスクが無意味に保護されており、状態の変化を書き込めないから、部分的初期化自体が不可能なのである。それならグレーアウトして選択できないくらいの配慮が欲しい。選べるが挫かれるメニューの作りには腹立たしい思いをたびたびする場面がある。操作させておいて、いや、それはできないんですよというパターンである。
ユーザーに残された最後の出口は、無情な無条件のHDDの初期化のみである。「初期化するとライブラリ情報を含めて、すべてのデータが削除されます。HDDを初期化しますか?」と念を押される。他の方法があるなら表示せよ。だれも好きこのんでやろうとしているのではないのだよ。それしか方法がないと言うから仕方なくしているんだよ。
隠しコマンドでもいいからあるなら教えてくれよと。どれかのボタンを押しながら電源を入れるとディスク保護なしに立ち上がるとかあるのかい? 隠さずに公開しろよと。試して探すには危険すぎるぞと。
しかも腹立たしいことに、「すべてのデータが削除されます。本当に初期化しますか?」と念を押される。だれも好きで初期化しているのではないのだよ。いずれこの日が来ることは分かっていたよ。でもあまりにも無情だよ。先陣の忠告を聞いていなかったのがだめなのかい?VARDIAの使い方として溜め込んではだめなことは分かっていたよ。そう、移そうと思っていたその時なんだよ。
無情にもあっけなく、普段の動きには似付かわないくらいあまりに軽快に、HDDの初期化は開始される・・・・。
ものすごく時間がかかるのであろうと予想していると、予想外にさらに軽快に%表示は進んでいく。どうしてメニューにデフラグがないのよ。プログラム的には確かに難しいことは解るが、自動でやるのも難しいだろう。しかしマニュアルで、実行する時間を予約のないような時間に選んで必要時間を計算して、デフラグすることは可能だろう。すでに数百Gの番組やチャプターやプレイリストを巻き込んで更新するのはかなり大変であろうことも分かるが、だからといって、その解決策が全部消してリスタートだけだなんてあまりに安直、システム設計の手抜きではないのか。
そしてあっけなく初期化されたHDDはディスク保護なしに復帰そして中身何もなしになってしまった。初期化といっても一覧とFATの様なものを消しただけなんだろう。物理的なセクタチェックをしているわけではない。それにはどなたかがやられているように、HDDいっぱいになるまで一度書いて読んでみるしかないのだろう。しかしそれでエラーがでても、バッドセクタを自動回避するようには思えないので、それをやれば異常にならない、なりにくいという説明ができない。回避策はエラー出しをして修理を依頼する=HDDを交換するしかないのだろう。バッドセクタで再生が中断すれば結局はHDDの異常状態に陥るだろう。
もちろん番組表も消えている。しかし録画一覧やらキーワードやらは残っていた。予約リストは番組表が消えたから中身が抜けたりしており、これも一度消して再登録するべきだろう。それなら、変に残さず消してくれた方がありがたい。それには工場出荷時に戻すをやればいいのかも知れないが、メールアドレスやらの設定を直すのもじゃまくさいのでまずは様子見だろうか。inetからの番組表の取得もいつもながらとても時間がかかり、10分ほどして番組表が現れた。全般的に動作が軽快になったことは確かである。HDDの容量があるからといって、録りためてはいけないことを再確認した。 先人の知恵を無視していた罰を受けたと言えるだろう。
スカパー連動は非常に便利であり、110でない方のスカパーを活用するにはVARDIAはとても便利である。これらを活用しつつ、すぐにメディアに移動するという使い方が大切であることはVARDIA万人ユーザーの悔しい思いと共に再認識されたといえよう。
TSでためてあった世界遺産が全部消えてしまった。しかしNTSCにおとしてDVDに焼くと明らかな画質の劣化がとても悲しい。そのままTSを見るとやはり綺麗なのである。これを移すには、BDかHD-DVD付きのレコーダーを買ってネットで移動するのか、もしくはRecpod買って別の保存先に一時退避するのかなのだろうか。HD-recでRに落としてどれくらいの画質なんだろう?やはりそれなりのレートがないと繊細な画像は置いておけないのではないか。BDか。HDか。非常に悩ましい、過渡期の数年となろうか。そしてまた録りためていると同じことになるのだろう。しかも安物電解コンデンサのトラブルも抱えているらしい。MYPCの様に花咲く噴火しかけの電解でも発作が起きなければ動くかも知れない。しかし発作的にボード上で放電したりすると、あっけなくプログラムは飛ぶだろう。そしてまたまたHDDのエラーに陥るのかも知れない。再発したら早めに修理を依頼しないといけない。長期保証はかけているが、まだ1年経っていない。
最後に一言。 あまりにいけていなく、悲しかったので、一気に書いてしまいましたが、
詳細なレポートとキーワードと共に、ハードディスクレコーダーの開発に関わる方々へより安定した製品の構築をお願いするべく、うたい文句の見かけの実装だけに走らず、より使い込んだ状態での動作検証を含めて、ユーザーを失望させる製品を作らないようにお願いしたいと考えます。
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