Scotch CLASSIC
いやあ、こんな古いのが出てきた。いまだに磁性体のすごい匂いのするカセットである。二酸化クロムとガンマヘマタイトの2層コーティングによる、FeCrポジションのカセットだ。EQは120μの方があっている。後期のデッキだと自動切り替えなので、穴がないから120になってしまう。前出のMASTERとは対照的に、比較的バランスの取れた中低域の厚みのある音がする。さすがアメリカ製だけあって作りがかなりガサである。だいたいヘッドのパッドがスポンジでついていて、既にスポンジは弾力がない。パッドのフエルトのタワシのような荒さ。今からするとあり得ないという構造である。そして、POSI-TRAKバックコーティングなるテープの裏面をざらつかせて、キャプスタンの滑りをなくそうということだろうが、それゆえテープ表面がでこぼこで、非常にドロップアウトやフラッターの多い音である。
TDKのSAなんかと比べるとあまりにハーフのつくりのがささが気になる。ヘッドのパッドのことを何というのか忘れたが、普通のバネパッドのついているハーフにロールだけ中身を入れ替えて聞こうかと思ったら、なんとネジがない。はめ殺しケースである。まいった。このテープかなり高かったような気がする。たしかに音は悪くないし、NRなしでもあまりヒスもない。さて何が入っているのかと思ったら、ありました。ジェットストリームが。あんまり長く載せたら怒られそうなのでちょっとだけいやあなつかしい。こちらの方がやはり風情があるね。UFOの飛んでるようなSEもありました。そういや、このテープを家から取ってきたとき、ちょうどポールモーリアの45回転LPが目について見ていたらなんと、次の日ポールモーリアまでもが他界されたとは・・・。これも時代の流れか。
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